
本日、一般社団法人香川県空き家対策連合会は、香川県善通寺市にあるコワーキング・スクエア「ZENキューブ」にて、空き家課題解決セミナーを開催いたしました。
近年、全国的にも深刻な社会問題となっている「空き家問題」。ここ香川県も例外ではありません。実家を相続したもののどうしていいか分からない、将来の管理が不安、といった具体的なお悩みを持つ30名の市民の皆様にご参加いただき、会場は熱気に包まれました。
本セミナーでは、税理士、弁護士、身元保証の専門家、そして空き家課題の専門家という、各分野の第一線で活躍するプロフェッショナルが登壇。相続や贈与、空き家の具体的な利活用方法について、多角的な視点からわかりやすく解説が行われました。さらに、セミナー終了後には個別の相談会も実施され、参加者の皆様が抱えるリアルな課題に寄り添う充実した時間となりました。今回は、そのセミナーの模様を詳しくレポートいたします。
開催場所:善通寺市の新拠点「ZENキューブ」
今回の会場となったのは、善通寺市文京町にある「ZENキューブ(善通寺市デジタル&コミュニティ空間)」。旧・善通寺市民会館の跡地に誕生した、コワーキングスペースや多目的室を備えるモダンで開放的な施設です。デジタルと地域コミュニティが融合するこの新しい拠点は、地域の課題解決を話し合う今回のセミナーにまさにぴったりの場所でした。
土曜日の開催ということもあり、開場とともに続々と参加者の方が受付を済まされ、用意された30席はまたたく間に満席に。参加された方々の年齢層は幅広く、現在進行形で空き家を所有している方から、将来的な相続に備えて知識を蓄えたいという方まで、真剣な眼差しが印象的でした。
4人の専門家が登壇!多角的なアプローチで学ぶ空き家対策

空き家問題が長期化・複雑化しやすい最大の理由は、「法律」「税金」「管理」「高齢者福祉」など、複数の異なる領域の問題が絡み合っている点にあります。一つの窓口では解決しきれないこの複雑な課題に対し、本連合会では各分野の専門家がタッグを組み、ワンストップで解決に導くアプローチをとっています。
セミナーでは、それぞれの専門家から以下のような具体的なテーマで講義が行われました。
1. 税理士による「知って得する!相続税・贈与税と空き家の税務」
最初に登壇した税理士からは、空き家を相続・贈与する際に必ずついて回る「お金(税金)」の話が分かりやすく解説されました。
- 相続税と贈与税の基本的な違い、どちらを選ぶべきかの判断基準
- 「空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除」の適用要件と注意点
- 放置し続けることで固定資産税が最大6倍になる「特定空家」のペナルティ
「良かれと思って放置していたら、増税のリスクがある」という具体的な試算データが示されると、多くの参加者が熱心にメモを走らせていました。知っているだけで数十万、数百万の差が出る税制優遇措置について、実例を交えた解説がなされました。
2. 弁護士による「トラブルを未然に防ぐ!実家の相続とトラブル事例」
続いて登壇した弁護士からは、親族間でのトラブルを回避するための法律知識が共有されました。特に、2024年4月から義務化された「相続登記の申請義務化」についての解説には、多くの関心が集まりました。
- 名義変更を放置したまま次の世代にいくと、権利関係がネズミ算式に増えて処分不能になるリスク
- 遺産分割協議がまとまらない場合の対処法と、生前に対策しておくべき「遺言書」の重要性
- 家族信託や成年後見制度を活用した、認知症対策としての財産管理
「法律は知っている人の味方」という言葉通り、トラブルが起こる前の「生前対策」がどれほど重要であるかが、過去の裁判例や相談事例をもとにリアルに語られました。
3. 身元保証の専門家による「高齢期の住まいと安心を支える終活・身元保証」
空き家問題の「発生源」をたどると、所有者が高齢になり、一人暮らしが困難になって施設に入所したり、病院に入院したりするタイミングであることが非常に多いです。そこで今回は、身元保証の専門家も登壇しました。
- 高齢者施設への入所や病院への入院時に求められる「身元保証人」の役割と現状
- 身寄りがいない、または親族に迷惑をかけたくない場合の身元保証サービスの活用法
- 自宅(将来の空き家候補)を離れる際のお片付け、生前整理の進め方
住まいを空ける前に、自分自身のこれからの暮らしをどうデザインするか。終活の一環としての空き家対策という視点に、深く頷く参加者の方も多く見られました。
4. 空き家課題の専門家による「マイナスをプラスに変える!空き家の利活用と管理術」
最後に、空き家課題の専門家から、実際に所有してしまっている空き家をどう「価値ある資産」に変えていくか、具体的な利活用とメンテナンスの方法が提案されました。
- 香川県内における空き家バンクの活用現状と、売却・賃貸の成功事例
- リノベーションをして店舗やシェアハウス、民泊等として活用する最新トレンド
- 解体を選択する場合の費用相場と、自治体ごとに用意されている解体補助金の活用法
- 「売れない・貸せない」場合の定期的な巡回・換気など、建物を長持ちさせる自主管理のコツ
空き家を「ただの荷物」として放置するのではなく、地域に開かれた場所や資産として再生させるアイデアの数々に、参加者の皆様も新しい可能性を感じている様子でした。
お悩みをその場でぶつける、大盛況の個別面談会

セミナーで全体的な知識を深めた後は、本日のもう一つのメインプログラムである「個別面談(相談会)」が実施されました。
「セミナーの内容はよく分かったけれど、我が家の場合はどうなんだろう?」という疑問に答えるため、各ブースに専門家が配置され、一対一での相談が行われました。事前に用意された図面や登記簿、固定資産税の課税明細書などを持参された熱心な相談者の方も多く、制限時間いっぱいまで熱心な対話が続きました。
【参加者様の声(一部抜粋)】
・「ずっと悩んでいた実家の名義変更について、弁護士の先生に直接お聞きできて、次にやるべき手続きが明確になりました。重荷が取れた気分です。」(60代・女性)
・「空き家を売るか貸すかで迷っていましたが、税金面での優遇措置の話を聞き、具体的なスケジュールを立てて進めようと思えました。」(50代・男性)
・「税金や法律、管理の相談がワンストップでできる場所はなかなかないので、本当に助かりました。また香川県内で開催してほしいです。」(70代・男性)
最後に:香川県の空き家課題にこれからも向き合います
空き家は放置すればするほど、老朽化による倒壊の危険、不審者の侵入や放火のリスク、害虫・害獣の発生など、周辺環境への悪影響を及ぼし、資産価値も低下してしまいます。しかし、早めに対策を講じることで、家族の思い出が詰まった家を次の世代へ引き継ぎ、地域に貢献する資産に変えることができます。
本日ご参加いただいた30名の皆様にとって、今回のセミナーが空き家問題解決への第一歩となれば幸いです。ZENキューブまで足を運んでいただき、本当にありがとうございました。
一般社団法人香川県空き家対策連合会では、今後も香川県内の各地域でこのようなセミナーや相談会を定期的に開催し、地域の皆様の住まいとお悩みに寄り添ってまいります。「実家の管理に困っている」「将来の相続が不安」といったお悩みがございましたら、どうぞお気軽に当連合会までご相談ください。
次回の開催スケジュールや活動内容につきましては、本ホームページにて随時発信してまいります。

